いざ「化粧品を創りたい!」と思っても、数多あるOEMメーカーからどこの会社を選んだらいいのか、どんなアイテムを創ったらいいのか、頭を抱える企画担当者が多いのではないでしょうか。
そこでコスメティックプランナー恩田雅世が、外部ならではの視点でホシケミカルズ担当者に切り込み、商品企画のヒントとなるようなトレンド情報や美容の潮流、さらにOEM/ODMの深部にぐぐっと迫る対談企画。他では聞けない裏話もこっそり聞いちゃいます!
登場人物プロフィール
恩田雅世 | ホシケミカルズ広報S | ホシケミカルズ商品企画Y |
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。 https://onda-media.com/ |
ヘルスケアアイテムのBtoC広報を経て、 販売時の切り口や訴求点とともに、理性(技術や理論)と感性( |
ホシケミカルズでは異色の化粧品メーカー研究部門出身という企画 化学の豊富な知識や知見に基づき、 |
この先何年続くかわからないですが、マスクを外しての生活というのはしばらく難しそうに感じます。
そういったストレスフルな社会的背景もあってか、機能性だけでなく、五感や感情(エモーション)などの“感性に訴えかける”ような商品が増えてきています。まずは、「五感」とは何か改めて教えて頂けますか?
五感とは、視覚(見る)・聴覚(聞く)・味覚(味わう)・嗅覚(嗅ぐ)・触覚(皮膚で感じる)の5つの感覚の事で、外界の情報や危険を察知する重要なセンサーのような役割をしています。
私達が生きていく上で重要な機能を果たしているのですね。
五感で得た情報は、瞬時に脳へ送られ、次の指令が下されます。
そのため、五感と脳には密接な関係があるといわれています。
スマホの普及などで現代人は情報過多といわれていますが、脳も疲労が溜って「五感(感覚)」も鈍り気味かもしれませんね。
コロナの後遺症として、味覚障害や嗅覚障害が言われていますが、人間の五感のうちどれかが鈍るだけで、相当なストレスになると思います。
逆に言うと、あえて五感へ意識を向け感じてみることが、脳を活性化させることにつながり毎日を快適に過ごす事ができるのかもしれませんね。
“五感コスメ”にはどんな切り口がありますか?
五感の中では、特に香りによる「嗅覚」へのアプローチが多く見られます。天然精油を配合した入浴剤や、ピロ―ミスト、マッサージジェル(オイル)などのアロマカテゴリーが伸長しています。
最近、ドラッグストアなどでもピローミストをよく見かけます。
皆さん疲れているのか、心地よく眠るニーズが広がっているのを感じました。
入浴剤に関しては、一年を通して使用する人が増加している印象です。例えば“発汗系”は、ダイエットやデトックス一辺倒の切り口でしたが、最近では発汗ですっきりとした後の「質の良い睡眠」にアプローチする商品も登場してきています。
コロナ以前と比べて、ストレスの増加や運動量の減少により、睡眠の悩みを抱える方が増えているようですね。香りの特性をいかして、“朝の目覚め”や“睡眠リズム”など睡眠の「質」に踏み込んでいるような商品もありました。
最近では、ブースター美容液や日焼け止め商材にも香り訴求のアイテムが登場したり、香り自体もジェンダーレス化してきたりと、香りが商品開発の中でも大きなウエイトを占めるようになってきています。
弊社では、香料会社出身の研究員が在籍しているので、香りを追求した化粧品開発をご希望の際は、お問い合わせ頂けたらと思います。
嗅覚以外での五感アプローチは、ほかにどんなものがありますか?
その他ですと、「触覚」でしょうか。スキンケア、ヘアケアにおいて「使い心地」や「質感の追求」、「使用時の剤型の変化により肌当たりの違いを実感」させる、というようなアプローチが見られます。
古くから“手当て”という言葉があるように、スキンケアは手のぬくもりが肌を通して脳や心に伝わる印象がありますよね。
それこそが今回のテーマでもある“エモーショナル(感性的)な化粧品”の働きですよね。弊社でも、塗布する際の心地よさなど、手で肌に触れた際の心の安らぎに着目して開発した「ホットセラムウオッシュ」というアイテムがあります。
今の時代にマッチした商品ですね。
時間に追われる日々の生活の中で、洗顔をゆったりと行うことで、自分と向き合う時間としてご活用頂いたり、逆に泡立てる手間がないため、洗顔が面倒な時や時間がない朝の洗顔としてもおすすめです。
マスクを日常的にするようになってからメイクが薄くなったこともあり、クレンジングも兼ねたW洗顔不要アイテムだと乾燥するという方もいらっしゃいますが、そのような方も使えますか?
洗顔料として、うるおいを奪いすぎないように、マイルドな洗浄力に調整したことに加え、美容成分が約92%という処方を実現しました。乾燥にお悩みの方にもお使い頂けます。
また、お客様のご要望に合わせて配合するPR成分などの処方変更も可能です。
五感コスメブランドの中には、五感を大切に=自分を大切にという視点から、“自分をとりまく社会や環境も大切にする”という考え方が浸透し、SDGs的な観点で、容器や包材を徹底的に簡素化することもできるが、視覚(見る)を大切にし、あえて選ぶ楽しさや置きたくなるようなデザインを採用しているブランドもあり、五感コスメの奥深さや多様性を感じました。
五感コスメの根底にある、Well-Being(良く生きたいを後押しする)の考え方は “マインドフルネスコスメ”とつながっていると感じますね。
人の感性に訴えかける五感コスメは“この香りでないと落ち着かない”、“このテクスチャーでないと心地よくない”といった、なくてはならないお助けコスメや、御守りコスメになり得る気がします。使いたいと思う時にどこでもいつでも使えて、自分の感覚を満たしてくれる、というのはまさにマインドフルネスコスメでもありますね。
さきほどのお話にも出ましたが、マインドフルネスコスメやエモーショナルコスメ、五感コスメなどの垣根はなく、リンクしているといえます。
化粧品とイメージDVDをセットにして販売するなど、ブランドの世界観を含めて五感に訴えかける演出をしているようなブランドもありましたが、いかにイメージだけでなく、成分やテクスチャーで五感にアプローチするかが重要になってくると思います。
実は、ブランドコンセプトやイメージ訴求を実際の処方に落とし込むのが化粧品開発者の腕の見せどころであり、難しいポイントなのですが、弊社には研究職経験のある企画担当もおりますので、その辺りをサポートすることも可能です。
本日は、五感コスメについてお聞きすることが出来、大変参考になりました。ありがとうございました。
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