いざ「化粧品を創りたい!」と思っても、数多あるOEMメーカーからどこの会社を選んだらいいのか、どんなアイテムを創ったらいいのか、頭を抱える企画担当者が多いのではないでしょうか。
そこでコスメティックプランナー恩田雅世が、外部ならではの視点でホシケミカルズ担当者に切り込み、商品企画のヒントとなるようなトレンド情報や美容の潮流、さらにOEM/ODMの深部にぐぐっと迫る対談企画。他では聞けない裏話もこっそり聞いちゃいます!
登場人物プロフィール
恩田雅世 | ホシケミカルズ広報S | ホシケミカルズ商品企画Y |
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。 https://onda-media.com/ |
ヘルスケアアイテムのBtoC広報を経て、 販売時の切り口や訴求点とともに、理性(技術や理論)と感性( |
ホシケミカルズでは異色の化粧品メーカー研究部門出身という企画 化学の豊富な知識や知見に基づき、 |
前回の「育毛剤」の回でもお話しましたが、コロナ禍の影響により美容院に行くのを控える消費マインドが続き、自分自身でケアする方が増えていますね。
「おうち時間」の増加や「おこもり美容」ニーズにより、やや高級なシャンプー・トリートメントやアウトバスなどのヘアケアが好調なようです。
昔はヘアケアというと、トイレタリーのカテゴリーに分けられ、日用品や消耗品といった印象がありましたが、最近ではドラックストアでも高級シャンプーが目立つ場所に置かれていたり、中価格帯~高価格帯のブランドも増え、だいぶ変わってきました。
美容への感度が高く、ストイックに美を追及する層だけでなく、一般の消費者も効果感や仕上がりに納得できれば、多少値段が高くても購入に至っている感じがしますね。
具体的には、いくらくらいの価格帯でしょうか?
1,500円位~3,000円台のゾーンで各社活発に新製品を出している印象です。
ドラッグストアでは1,000円以下の商品も多いなか、流れが変わってきた感じですね。
これまで、高価格帯のヘアケアは美容サロン発をはじめ、中小メーカーがこだわって開発してきた商品が多い印象でしたが、最近では大手メーカーもこの分野に参入し、盛り上がりを見せています。
ブランドの切り口、コンセプトはどのような傾向にありますか?
お手入れ方法やラインナップが多彩になったことを象徴する、“ヘアケアのスキンケア化”が顕著に表れている印象です。
今までも「スキンケア発想で、頭皮ケアを」と謳っているブランドはありましたが、リアルに定着してきた感じですね。
コンセプトだけではなく、実際に商品構成もシャンプー前に頭皮をディープクレンジングするアイテムを投入していたり、シャンプー以外はすべてアウトバスで重ねて使っていく使い方を提案するなど、今までにない自由な発想のヘアケアブランドが生まれてきています。
確かにそうですね。髪のために「飲むオイル」を商品ラインナップにいれていたブランドもありましたが、調べてみると各社ヘアケアに関してのアプローチが個性的でユニークでした。
高価格帯ヘアケアの流れで言うと、2019年位から目立ち始めた“パーソナライズ”“カスタマイズ”系のブランドもひとつの流れとして根付いた印象です。
ヘアサロンで、美容師が直接髪を診断して適したシャンプーをセレクトしていくという流れから、WEB上のオンライン診断でカスタマイズ化したものをサブスクで提供するというビジネスモデルが構築されてきましたね。
サロンにいかなくても、自分に合ったケアができるということが、コロナ禍のおこもり美容ニーズと合致して定着を後押ししていると思います。
時代の流れという意味では、ヘアケアにもSDGsの考え方を取り入れ、容器選定の段階でプラスチック削減をおこなっていたり、資源を無駄にしないように廃棄されていたものや副産物を積極的に採用するブランドもありました。
環境への配慮は、商品開発において重要なファクターになりつつありますが、やはりある程度コストをかけざるを得ない場合もありますので、比較的、価格設定が高めのヘアケアだからこそ取り組めるというメリットもあるかもしれません。
ちなみに弊社でも、そうしたサステナブル視点で開発した中~高価格帯向けのヘアケア商材があります。
教えていただけますか?
「水の使用量削減」「プラスチック削減」だけでなく「時短」 も可能にした、シャンプーとオイルの2品で仕上げる2ステップタイプのヘアケアラインです。
それぞれの特徴を教えて頂けますか?
まずシャンプーですが、独自のアミノ酸系成分配合バランスにより、こだわりの指通りを実現しました。
ノンシリコーンとは思えない、驚くほどなめらかな指通りとしっとりとした仕上がりのため、「洗髪後のコンディショナーやトリートメントは使わなくてOK」という提案を可能にしました。
インバスケアがこれ一本で済むとなると、節水やプラスチック削減につながりますね。
はい。泡も濃密でキメ細やかな密着性の高いリッチな仕上がりになっています。
もう一品についても教えてください。
100%天然由来の成分で構成されたナチュラル仕様にも関わらず、シリコーンに匹敵する軽さと指通りを実現したアウトバスヘアオイルです。
ドライヤーの熱に反応し、毛髪ダメージを修復するヒートリペア成分“γ‐ドコサラクトン”や、毛髪保護成分“18MEA”、さらにアルガンオイルなどの天然オイルを贅沢に配合し、思わず触れたくなるサラツヤな美髪へと導きます。
アウトバスもこれ一本でいいのは楽ですね。
ドライヤー前にヘアミストをつけたり、ドライヤー後にヘアミルクやヘアワックスを使ったり、アウトバスでも何品か使っている方もいらっしゃると思うので、時短やコスト削減にもなりますね。
時短という切り口でいうと、シャンプーによる過度な洗浄による頭皮や毛髪ダメージに着目して開発した「3in1クレンジングトリートメント」というアイテムもあります。
1本で頭皮クレンジング~トリートメント効果まであるんですね。
スキンケアにおいても、泡立たない洗顔でリッチに洗い上げるような商品がでてきていますが、ヘアケアでも特に高級ラインで“泡立たないシャンプー”も目にするようになりました。
強い洗浄剤で汚れをおとすのではなく、オイル成分や天然粘土鉱物の「ベントナイト」などの吸水性・吸着性を利用しながら、頭皮の余分な皮脂や汚れを取り除く処方になっています。
泡立たないクリーム剤型のシャンプーが出てきた当初は、マス向けブランドから発売されていた印象でしたが、革新的すぎる使用感だったことを考慮すると、こだわって髪をケアしたいという高価格帯のブランドの方が、ターゲットとの親和性が高いのかもしれませんね。
コロナ禍により、自分と向き合う時間が増えることで、お肌はもちろん、髪に対しての意識も変化し、シャンプーのあとはトリートメントを使うといったヘアケアに対する固定概念にこだわらず、本当に自分が求めるヘアケアを選択していく流れになってきているのを感じます。
当社では、その他にも高価格帯ヘアケアとして、薄毛や白髪などが気になる方向けの育毛剤や、美容成分をリッチに配合したアウトバストリートメント、マルチバームなどもご用意しておりますので、ぜひお問い合わせ頂けたらと思います。
自分自身が本当に満足できるヘアケアを消費者が求め出している以上、高級ヘアケアブームはまだ続いていきそうですね。
私も引き続き市場をチェックしていきたいと思います。本日は、高級ヘアケア動向について教えて頂き、大変参考になりました。ありがとうございました。
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