いざ「化粧品を創りたい!」と思っても、数多あるOEMメーカーからどこの会社を選んだらいいのか、どんなアイテムを創ったらいいのか、頭を抱える企画担当者が多いのではないでしょうか。
そこでコスメティックプランナー恩田雅世が、外部ならではの視点でホシケミカルズ担当者に切り込み、商品企画のヒントとなるようなトレンド情報や美容の潮流、さらにOEM/ODMの深部にぐぐっと迫る対談企画。他では聞けない裏話もこっそり聞いちゃいます!
登場人物プロフィール
恩田雅世 | ホシケミカルズ広報S | ホシケミカルズ商品企画Y |
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。 https://onda-media.com/ |
ヘルスケアアイテムのBtoC広報を経て、 販売時の切り口や訴求点とともに、理性(技術や理論)と感性( |
ホシケミカルズでは異色の化粧品メーカー研究部門出身という企画 化学の豊富な知識や知見に基づき、 |
ジメジメとした梅雨の時期になってきましたが、夏本番を前にUVケアが注目される季節になってきましたね。
今や、一年中UVケアをするのが常識になるくらい紫外線に対する消費者の意識は高まっていますが、今季は紫外線以外をブロックするような“付加価値をつけたUVアイテム”が続々発売されています。
数年前に登場した、スキンケアにUV機能を持たせたような“ケア重視”の日中用乳液や美容液UVなどは、だいぶ定着しているなという印象です。ケア重視の製品で、大手メーカーでは高SPF値の商品も目立ちました。
今年は、コロナ禍による新しい生活様式や消費マインドの変化が、発売されるUV商品にも反映されている感じですね。
今季のUVケア商品全体の傾向は、どんな感じでしょうか。
“おうち時間”・“メイクしない日”・“テレワーク対応”などにより細分化されたニーズを拾った開発がおこなわれているな、と感じました。
具体的な切り口、訴求ポイントを教えて頂けますか?
Withコロナが長引くにつれて、皆さんストレスが蓄積していると思いますが、UVでも「香り」でリラックス効果を訴求しているのは、今季ならではだと思いました。
UVに香り付きっていうイメージはなかったのですが、つけている間の時間を少しでも癒されてほしい、という作り手の思いを感じますね。
あとは、マスクを着用することによる肌状態の変化にも対応した「敏感肌用」「低刺激処方」といったマイルドな処方訴求も目立ちました。
マスクを長時間ずっとつけているという状態は、コロナ前にはなかったことですからね。お肌にも精神状態にも影響があると思います。
コロナウィルスに打ち勝つために、自分自身の免疫力を高めたいと考える方も増えていらっしゃいますが、その切り口は化粧品にも見られました。
「バリア機能のUP」や「自分の肌を育てる」という考え方がUVケアに付け加えられましたよね。
逆に、BBクリームのようなカバー力の高いUVは少なくなりましたね。
マスクへの色移りを気にされるのか、ラベンダーやピンクなどでほのかなトーンアップを叶えるような商品が人気のようでした。
マスクで、顔がほぼ隠れている状態ですからね。カバーしたいというよりもケアしながらトーンアップできれば十分という気持ち、すごくわかります(笑)
弊社でも、多機能UV「薬用美白UVプロテクション」というアイテムがあります。
どのようなアイテムなのでしょうか?
ビタミンC誘導体(アスコルビン酸2-グルコシド)を有効成分とし、日焼け止め、美白ケア、化粧下地を兼ね備えた、乳液のような柔らかいクリームタイプの医薬部外品UVカットアイテムです。
自然なトーンアップ効果で透明感のある肌を演出し、大気汚染物質などが肌へ直接触れることを物理的に防ぐアンチポリューション機能も期待できます。
まさに今季のUVで特徴的なのが「アンチポリューション効果」ですよね。
各社さん花粉、排気ガス、PM2.5などの大気汚染や近赤外線等々、お肌の敵を明確にして守るというアプローチをされています。
この他にもアンチポリューションにおすすめのアイテムはありますか?
SPF50・PA++++の高い紫外線カット効果のある「ノンケミカルUVミルク」というアイテムがあります。
特徴はなんでしょうか?
撥水コーティングを施した紫外線散乱剤とラップコンポーネント(被膜形成成分)をバランスよく配合することで、紫外線だけでな大気汚染物質からも肌を守ってくれる、振って使用するタイプのUVミルクです。
紫外線吸収剤不使用でさっぱり・しっとりの2つのテクスチャーがあります。
しっとりと、さっぱりの2つのテクスチャーがあるのがいいですね。
他社の商品をみても「テクスチャー」「SPF値」「剤型」などをいくつか用意し、1つのブランドでお客様の好みに合わせて選んで頂けるような展開をしているところが結構ありました。。
コロナ禍で多様化した、様々な使用シーンに合わせた商品展開も求められていると感じます。
通常通り出勤されている方もいれば、テレワークで自宅にいる方もいらっしゃるので、UVに対して求めるニーズも多様化している感じがしますね。
そうですね。弊社にも日中用の光老化対策美容液「薬用ホワイトエッセンスTAV」というアイテムがありますが、肌に負担をかけにくい低めのSPF値のため、テレワーク中は家にいる時間が多いという方におすすめです。紫外線は窓を通過して室内にもはいってきて、知らない間に紫外線を浴びてしまうので、室内向けの軽いUVアイテムがあると重宝しますよ。
なるほど。いわゆる“おうちUV”としても訴求ができそうですね。
そのアイテムについてもう少し詳しく教えてください。
医薬部外品の有効成分として「トラネキサム酸」と「グリチルリチン酸ジカリウム」を配合しています。シルク由来のカプセルに紫外線吸収剤を包みこむことで、刺激を緩和しながら、べたつかないテクスチャーを実現しています。また、こちらにもアンチポリューション効果が期待できる成分も配合し、タバコの煙を含むPM2.5などの大気汚染物質による肌の炎症を防ぎます。
べたつかないテクスチャーというのが、いいですね。
テレワークだと外に出ないし、UVケアしなくても、と思いがちですがスキンケアの延長できちんと紫外線対策ができるというのはありがたいです。塗り直しで重ねても、よれなさそうです。
UVケアといっても、必ずしも常に最大値のSPF・PAが必要というわけではないので、SPF・PA値以外の部分にも、付加価値をどれだけ見出して付けていけるのかが大切だと思っています。
そうですよね。アンチポリューション的な思考“自分の肌は自分で守る”という考え方がコロナ以前より意識が高まってきたように、SPF・PAの数値についての理解も広がるといいですね。
はい、イメージだけでなく、ひとりひとりが自分に必要なものを考えて手に取ってくれることを切に願っています。
また、当社では新しい薬用UVアイテムを続々開発中ですので、リリースを楽しみにして頂けたらと思います。
完成しましたら新しいアイテムの情報をぜひ教えてください。
本日は、UVアイテムの最新動向を教えて頂き、大変参考になりました。ありがとうございました。
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