いざ「化粧品を創りたい!」と思っても、数多あるOEMメーカーからどこの会社を選んだらいいのか、どんなアイテムを創ったらいいのか、頭を抱える企画担当者が多いのではないでしょうか。
そこでコスメティックプランナー恩田雅世が、外部ならではの視点でホシケミカルズ担当者に切り込み、商品企画のヒントとなるようなトレンド情報や美容の潮流、さらにOEM/ODMの深部にぐぐっと迫る対談企画。他では聞けない裏話もこっそり聞いちゃいます!
登場人物プロフィール
恩田雅世 | ホシケミカルズ広報S | ホシケミカルズ商品企画Y |
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。 https://onda-media.com/ |
ヘルスケアアイテムのBtoC広報を経て、 販売時の切り口や訴求点とともに、理性(技術や理論)と感性( |
ホシケミカルズでは異色の化粧品メーカー研究部門出身という企画 化学の豊富な知識や知見に基づき、 |
2020年のビューティ業界の振り返りをすると、やはりコロナウィルスの影響がかなりありますね。
美容に対する考え方も変化し、今までにないニーズが生まれた年でもありました。
トピックスとしては『マスクの標準装備化による肌荒れ』があげられます。“マスク荒れ”という言葉が生み出され、多くの方がマスクによるお肌のトラブルで悩まれているようでした。
マスク内部に充満した湿気が、マスクを外す際に急激に蒸発することで肌内部の水分も一緒に失われ乾燥を引き起こし、さらに着脱時の擦れによる摩擦ダメージなどで、かゆみやかぶれを引き起こすと言われています。
今季はそういったマスクによる肌荒れや乾燥に悩む方が増えたのが要因かもしれませんが、「ヘパリン類似物質」配合商品が注目されましたよね。
はい。弊社にも「薬用モイストヘルパーミルク」という「ヘパリン類似物質」配合の薬用保湿乳液がありますが、お問い合わせを多く頂いております。
また、乳液に続いて、薬用化粧水の紹介も開始しましたのでおすすめです。
化粧水もあるとシリーズ展開もできてうれしいですね。
肌荒れ・乾燥だけでなく、コロナ禍によるストレスをケアするような、リラックス効果のあるアロマやハーブの香りへのニーズも高まっているように感じますが、御社では香りをつけることもできるのですよね?
はい。弊社には香りのプロも在籍しており、まさに先の見えないコロナ禍のジャストフィットした癒し系の香りのご提案も可能です。
使用感や香りにこだわった商品の開発ができるという点は、医薬品にはない化粧品(医薬部外品含む)の大きな強みになると思います。
長引くコロナ禍によるストレスと肌荒れのケアが同時にできるような商品があったらいいですね。
マスク絡みでもう一ついうと『マスクの下のたるみ』も今季ならではのお悩みとして注目されました。
リモートワークにより人と直接会う機会が減るだけでなく、マスクをつけながらの会話により表情筋を使わなくなり、筋肉が衰えてしまうようです。
コロナ禍で、老け顔も進行してしまうなんて、悲しすぎますね…。
メーカー各社、今季はたるみケアに対応したマッサージケアアイテムや引き締め美容液を投下しているのも特徴的でした。
そういった意味では、“巣ごもり美容”という言葉も生まれたように、お家の時間が増えてエイジングに対する関心やニーズが例年以上に高まった年かもしれません。
あと、2020年のトピックスで一番注目しているのが『コロナ禍によるメンズコスメ拡大』です。今までもメンズコスメブームというのはありましたが、今回はリアルに必要に迫られて購入している男性が多いと感じました。
マスクによる肌荒れは男性も共通の悩みでしょうし、ステイホームでお家にいる時間が増えたことで自分磨きをするマインドが醸成されたのかもしれません。
また、着目すべきはオンライン会議などによる、スキンケアやメイクへの関心の高まりですね。
リアル店舗で買っていた男性の多くがオンラインショップに移行したのも売り上げ拡大に拍車をかけたと思いますが、オンライン会議の浸透で“オンライン映え”を気にする男性が増えたのもまさに要因の一つだと思います。
自分の顔を客観的に見る機会が増えたことで、スキンケアやメイクへの関心が高まったものと考えられます。
ある大手化粧品メーカーが行ったアンケートによると、オンラインミーティングでの第一印象も、ミーティング全体を通しての印象もメイクをしているほうが優位に高評価の傾向にあるということもわかったそうです。
自己満足ではなく、客観的に見ても印象が良くなるということですね。御社では具体的にどのようなアイテムがお薦めですか?
「薬用ホワイトCCクリーム」という、美白もできるスティックタイプのコンシーラーのようなアイテムがあるのですが、気になるポイントだけカバーできるので、男性にもおすすめのアイテムです。
もちろん薬用(医薬部外品)以外でもご要望に合わせた使用感のものを開発することも可能です。
スティックタイプで塗りやすく、メイク初心者の男性にもぴったりですね。メイクしているように周りに感じ取られたくない、と感じる男性が多いと聞くのでカバーしているのに自然な仕上がりというのはポイント高いですね。
2021年以降も、メンズコスメにおいて、肌の悩みは隠したいけど、メイクをしていることがわからないような“肌補正領域”の商品ニーズはより一層高まっていくものと思います。
そのほかに、2020年の流れが2021年も続くと思われるトピックスはありますか?
個人的には、2020年の美容業界は『クリーンビューティ』の動きが加速した年だと感じました。
大手企業を中心としたパッケージの簡素化、マイクロプラスティック不使用といった環境への配慮や、独自の循環型農園での原料栽培など環境の負荷にならないような製品づくりが見られましたが、これらのムーブメントは2021年さらに強まっていくと考えています。
国をあげたSDGSへの動きも、クリーンビューティの流れを後押ししていますよね。
SDGs対応はどこから手をつければいいのか難しいかもしれませんが、まず商品開発で取り入れやすいのは“サステナブルな原料”の配合ではないでしょうか。
弊社は、原料商社機能も有しているため、時代に合わせた原料をご提案することも可能ですので、ぜひご相談いただければと思います。
サステナブル視点では、世界的に『ウォーターレスビューティ』の流れが来ています。
ここで言う『ウォーターレスビューティ』とは、「1.処方中の水分量を減らす」「2.製造過程で使用する水量を減らす」「3.製品を使用する際に必要な水量を減らす」など、水の使用量を減らす取り組みです。
特に、弊社がおすすめしたいのは、「3.製品を使用する際に必要な水量を減らす」アイテムです。
水を使わないドライシャンプーを始めとして、「水の使用量削減」「プラスチック削減」「時短」を可能にした、2STEPで完了するシャンプー「アミノ酸リッチシャンプー」と、アウトバスオイル「ボタニカルヘアオイル」など、環境にも配慮したお手入れアイテムをすぐにご提案できます。
2021年以降は、自分だけがキレイであればいいという考えではなく、“環境や地球にも優しい”商品やサービスが求められそうですね。そういう意味で個人的に注目しているのが『FemTech』です。
フェムテックとは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語で、多くの女性が生きていくうえで直面する健康の課題をテクノロジーで解決できる商品やサービスのことを指します。
生理痛の改善や、月経周期の予測、不妊治療対策、妊娠中のサポート、更年期障害の改善など海外ではすでに様々なサービスや商品が生まれていますよね。
そのような流れは日本でもすでに起きており、コロナ禍を経て“より自分の身体をきちんとケアしたい”というニーズが増え、それに伴うサービスや商品がさらにでてくるのではと注目しています。
こうしたニーズは自ずと、睡眠や食事、適度な運動など、日々の環境や生活様式を見直すことに繋がりそうですね。
“身体の内側から”というアプローチでは、大手化粧品メーカーによる『DNAコスメのアップデート』も目立ちましたね。
そうですね、遺伝子の発現状態が、環境や生活様式などの後天的要素で変わる「エピゲノム」に着目した商品など、遺伝子研究の進化が見られた年だったと思います。
環境を意識することや自分の身体と向き合うなど、広い視点に立った本質的な美しさの追求がビューティ&ヘルス業界で注目のトレンドとなるかもしれません。
本日は、2020年のビューティ業界の振り返りから、2021年ビューティ業界予測までお話を深めることができました。ありがとうございました。
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