いざ「化粧品を創りたい!」と思っても、数多あるOEMメーカーからどこの会社を選んだらいいのか、どんなアイテムを創ったらいいのか、頭を抱える企画担当者が多いのではないでしょうか。
そこでコスメティックプランナー恩田雅世が、外部ならではの視点でホシケミカルズ担当者に切り込み、商品企画のヒントとなるようなトレンド情報や美容の潮流、さらにOEM/ODMの深部にぐぐっと迫る対談企画。他では聞けない裏話もこっそり聞いちゃいます!
登場人物プロフィール
恩田雅世 | ホシケミカルズ広報S | ホシケミカルズ商品企画Y |
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。 https://onda-media.com/ |
ヘルスケアアイテムのBtoC広報を経て、 販売時の切り口や訴求点とともに、理性(技術や理論)と感性( |
ホシケミカルズでは異色の化粧品メーカー研究部門出身という企画 化学の豊富な知識や知見に基づき、 |
東京も新型コロナウィルスの感染拡大は一旦落ち着きを見せましたが、見えない敵との戦いはまだまだ続きそうな気配ですね。
それも日本だけでなく世界中でコロナが猛威を振るっている中、人々の生活やマインドの転換期になるかもしれません。
その影響は、美容業界にも当然現れてきていますね。
今日は、そのあたりをコロナのフェーズの変化とともに、消費者のニーズがどのように移り変わるか?を考えていきたいと思います。
コロナのピーク時は、とにかくコロナから身を守る商品が売れ、マスク・消毒剤や手の洗浄剤などが品薄になりました。
今も、商品によっては店頭で買えないこともあります。
弊社でも、指定医薬部外品のアルコール消毒剤「薬用スキニークリアローション」を取り扱っておりますが、引き合いがかなり多く、なかなか供給が追い付いていない現状です。
化粧品業界全体で、アルコールの原料自体が品薄なのに加え、容器も手に入らない状態と聞きます。
年明けはまだ原料供給も安定していましたが、春先から供給難になりそうという噂を耳にするようになり、コロナの感染拡大とともに一気に供給難に陥った印象です。
厚生労働省がアルコール消毒液不足をうけて、アルコール濃度が高い酒を消毒液の代わりとして使用することを特例として認めるなど、国としても対策をとっていますが、品薄状態はまだ続きそうですね。
外出先や家での消毒は、今後新しい生活習慣の一つとして定着すると思うので、消費者が普通に買えるようになってほしいです…。
消毒の他に、コロナ感染拡大の渦中だからこそのお薦め商材ってありますか?
リモートワークが推奨され、特に働いているママさんなどは、家事・育児に仕事にと慌ただしい日々が続き、美容に手が回らない状態だと思います。コロナ前より忙しさが増したという方には、便利な「3WAYウオッシュ」がお薦めです。
クレンジング・洗顔・ピーリングの機能が一つになっているなんて、忙しい方には嬉しいアイテムですね。
いつものお手入れでピーリングのケアまでできちゃうんですね!忙しくて美容がおろそかになっているな、と罪悪感を持たずにいれるのがうれしいです。
自分に手をかけられる時間がないからこそ、「洗顔する」というルーティンの動作で、角質のケアまできちんとできるという付加価値が大事になってくると思います。
続いて、感染のピークが過ぎ、新型コロナウィルスの感染を予防しながら日常を過ごしてい「ウィズコロナ」と呼ばれる時期には、どのようなものが求められているのでしょうか?
マスクを常時することによる“マスク荒れ”や、手洗い・アルコール消毒による“手荒れ”でみなさん悩まれているというのを非常によく耳にします。市場ではすでに、手荒れを防ぐハンドクリームや保湿ジェルの売上が急増していると言われ、今後開発する際には、使用感・訴求などで差別化していくことが重要になりそうです。
その他には、コロナ後の新生活様式に寄り添うような商品が求められるのではないでしょうか。
具体的にはどのような商材でしょうか?
マスク荒れ(マスクを長時間つけることで起こる摩擦や蒸れなどによる肌荒れのこと)をケアするアイテムには、「薬用美白ビューティオイル」がお薦めです。
荒れた肌には、水剤型よりもオイル剤型の方がピリピリ沁みにくいことに加えて、炎症を抑えて美白をする有効成分を配合しているので、摩擦による色素沈着予防も期待できます。
夏に向けて美白ケアをしたいけど、肌が荒れて…と悩む方にぴったりですね。
しかも、「外出機会の減少=紫外線にあたる機会の減少」なので、美白のタイミングとしても非常にお薦めなんですよ!
あとは、気になる乾燥箇所にすぐに塗れるシアバターなどを配合した“マルチ型バーム”の需要増も想定できます。バームであれば小ジャー容器も良いですが、個人的には手を汚さずに部分的にも使用できるスティック型もお薦めしたいですね。
ちなみに、弊社ではどちらのタイプも充填可能です。
メイク系だとどんなニーズがありそうですか?
マスクを常時つけた状態が続くと思うので、アイラインやアイライナー、アイシャドウマスカラといった目元周りのアイテムは引き続きニーズがありそうです。
ファンデーションはマスクにつかないなど、色移りが軽減されるような機能が求められると思います。
確かに、マスクを外してべっとりとメイクがついていると嫌ですよね。テレワークでマスクを外している時には、画面で映えるような肌に光をプラスしてくれるコントロールカラーとかがウケそうです。
自宅勤務時のファンデーション代わりとしても、コントロールカラーをはじめとした軽い仕上がりの化粧下地の需要も高まりそうですよね。
そして、「アフターコロナ」と呼ばれるコロナが終息した先の未来を迎えても、コロナの前と後では、消費者の心理は変化していると考えられます。
個人的には、コロナ疲れを癒すような心地よさや、良い香りなど五感にアプローチしたものや、瞑想やマインドフルネスといった心の健康にアプローチするような流れになりそうだなと思っています。
明確な定義は決められていませんが、サスティナビリティや動物実験フリーなど、地球や社会に対して「クリーン」であることを訴求した美容商材について使われていることが多く、日本でも、大企業が海外のクリーンビューティブランドを買収するなど、新しい潮流として注目されています
流通面でも、時代の流れとコロナの影響で、今後、化粧品の購入の場が、リアル店舗から“デジタル店舗”へと急激に進むと思います。
すでに話題になっている“D2Cコスメ”など、ネットで情報を得てネットで買うという実店舗を介さない消費の流れは、コロナによって半強制的に加速しそのまま拡大していくのではないでしょうか。
直接触れ合わなくても温かみを感じられるような、コミュニケーションや商品設計が今後求められてくるのでしょうね。
消費者が、“自分の事を考えてくれている”“自分の悩みを解決してくれる”と思わせるような共感力を備えた、離れていても一体感・魅力のあるブランドが求められていくと思います。
世界中の人がコロナという見えない敵と共に戦ったという経験が、他者を思い合う気持ちや、この先の平和や環境に思いを馳せるというマインドは、確かに今流れがきている“クリーンビューティ”の精神ともつながっていると思いました。
本日は、コロナ禍におけるビューティ業界の流れから、この先のビューティ業界へ繫がるお話を聞くことが出来ました。
ありがとうございました。
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