いざ「化粧品を創りたい!」と思っても、数多あるOEMメーカーからどこの会社を選んだらいいのか、どんなアイテムを創ったらいいのか、頭を抱える企画担当者が多いのではないでしょうか。
そこでコスメティックプランナー恩田雅世が、外部ならではの視点でホシケミカルズ担当者に切り込み、商品企画のヒントとなるようなトレンド情報や美容の潮流、さらにOEM/ODMの深部にぐぐっと迫る対談企画。他では聞けない裏話もこっそり聞いちゃいます!
登場人物プロフィール
恩田雅世 | ホシケミカルズ広報S | ホシケミカルズ商品企画Y |
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。 https://onda-media.com/ |
ヘルスケアアイテムのBtoC広報を経て、 販売時の切り口や訴求点とともに、理性(技術や理論)と感性( |
ホシケミカルズでは異色の化粧品メーカー研究部門出身という企画 化学の豊富な知識や知見に基づき、 |
2019年の美容業界を振り返ると、国内大手メーカーのリブランドやブランドの顔として活躍していたメークアップアーティストの交代など、転換期を迎えたブランドが多かったな、という印象でした。
2020年のオリンピックに向けてというだけでなく、戦略的に日本国内だけでなく世界展開を見据えた上でのコンセプトやビジュアル作りをされているという印象ですよね。
うですね。その世界戦略を踏まえたパッケージも含めたリブランディングが一部の国内のユーザーに受け入れられず、苦労していそうなメーカーもありました。
今まで自分達が使っていた商品のイメージがガラッと変わってしまうのは、ユーザーとしては受け入れがたい部分があるのかもしれませんが、そこを乗り越えて更なるファンとして根付いていくのかがブランドとしての力が試されるところですね。
世界を見据えたという意味では、世界的なムーブメントになっている「サステナブル」「エシカル」「ビーガン」というという切り口がリブランドのキートピックスになっていました。
まさに、“クリーン・ビューティ”ですね。
はい。“クリーン・ビューティ”にならんで、私が注目したいのが“ジェンダーインクルーシブ”の視点です。
年齢や性別、国籍などを超えて、全ての人々が楽しめ、美しくなれるということですね。
万人受けをするような女性像を目指すのではなく、一人ひとりのもっている個性がいかせるような、オリジナルの美を磨きあげるためのスキンケアやメーク展開に、新しい自由さを感じました。
自分らしく、自分自身を大切にする人が増えれば、周りの人の個性や性差を超えた魅力を認め合える世の中に近づける気がします。
そうですね。2019年は、美容業界のダイバーシティ(多様化)が進んだ年ともいえます。
メンズ美容が、いかにも男性らしいフォーメンブランド一辺倒から、洗練されたデザイン性や使い心地を追求するようなアイテムも発売されました。
若い男性に熱烈なファンをもつヘアサロンが、オリジナルのヘアワックスを発売したり、スキンケアを発売したりとメンズコスメがかなりアツい感じがしました。
大手バラエティショップでメンズコスメフェスが開かれるなど、特に若い男性の間で盛り上がりを見せている感じですね。個人的にこの流れは、もうちょっと上の年齢層の男性も巻き込みながら2020年も引き続き拡大していく気がします。
その他に、2020年に引き続き流行りそうなものはありますか?
先程、キートピックスでもお話しましたが「サステナブル」の視点がさらに深まっていきそうです。
具体的にどのような展開が考えられますか?
2019年に流行った、ミニコスメもその一つだと思いますが、自分達がキレイになるだけでなく自然や環境を考えて化粧品を最後まで使い切る、という意識で商品を選ぶ人も出てくると思います
そういった意味では、2019年に発売されたメイクアップアイテムの中には、手持ちの商品に重ねて使えるアイシャドウやリップなども発売になりました。
これも、すべてを新しく買うのではなく、今あるものを無駄にせず活かすというサステナブルの発想が含まれているのかもしれませんね。
2020年以降は、消費者が、ただ“カワイイ”とか“流行っている”だけではなく、企業としての環境に対する取り組みや、配合している成分、リサイクル可能な容器かなど、“エシカル的な視点での商品選び”をしていくと思います。
弊社でも、このような社会の動きに合わせて「サステナブル」を意識して開発された原料の情報を収集し、環境に配慮した容器などを提案していきたいと思っています。
輸送時の扱いに課題があり、販売チャネルを選ぶ場合もありますが、すでに、リサイクルガラス(廃ガラス)を使用したガラス容器の採用が進んでいますね。
OEMメーカーとしてのものづくりの姿勢も変わっていきそうですね。
「ミニマリズム」「エフォートレス」「クリーン」「エシカル」等、2019年にクローズアップされたキーワードの多くは、根底で繋がっていて、大きなムーブメントとして今後も強まっていくと思います。
地球にとって本当に必要なものは何なのか?を真剣に考えて、提案する時代に来ていると思います。
大量生産ではない質的な観点と、それを実現する技術・開発・生産が今後のOEMメーカーには求められているのかもしれませんね。
はい。2020年以降も続くと思われる“クリーンビューティ”という概念は、“ナチュラルコスメ”と同じように明確な定義がない分、製品の企画の段階できちんと「何に対してクリーンなのか」を明確にする必要があります。
全世界的に環境への意識が高まり、クリーンなものが求められる中、メイドインジャパンの化粧品として発信していけるような化粧品が生まれる可能もありますよね。例えば、日本古来からの「ハレ」と「ケ」の思想を洗顔や洗髪に応用するとか。
そういった日本古来の考え方や、ずっと伝え続けられてきた日本に自生する生薬などの成分、日本の民族衣装である着物に似合う色や発色、質感のメイクアップアイテムなど、製品から日本ならではのクリーンさを打ち出すのも面白いと思います。
日本ならではの美意識や“もったいない精神”を活かしたクリーンJAPANビューティが生まれるかもしれないと思うとワクワクします。オリンピックイヤーの今年は、美容業界から目が離せませんね(笑)
本日は貴重なお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。
「クリーン・ビューティー」処方をはじめ、トレンドを意識したオリジナル商品開発について、お気軽にご相談ください。
お問合せはこちら