1. 高まる頭皮ケア意識
今回は、5月のトレンド記事(「育毛剤」と「頭皮ケアコスメ」最新市場動向)に続き、ヘアケア市場のトップを占める、シャンプーやトリートメントなどの洗い流す「インバスヘアケア」アイテムについて考察していきたいと思います。
近年は、従来のいわゆる汚れ落としに注力した“地肌ケア”とは少し角度が異なる、頭皮ケア訴求シャンプー&トリートメントの市場投入傾向(※1)が見られています。ヘアケアにおける魅力的なワードとして「地肌ケア」が全年代で増加している、というデータもあり、消費者からの注目度の高さがうかがえます。
そして、「頭皮のスキンケア化=スキニフィケーション(Skinification)」の考えが浸透しつつあり、頭皮ケアは単なるシャンプーなどの延長ではなく、顔の肌と同じくらいケアした方が良いという意識の高まりも感じます。
さらに、世代でみていくと「アクティブシニア層の増加」がヘアケア商材にも大きな影響を与えています。人生100年時代で“延びた現役時間”により、ボリュームダウンなど髪の若々しさを気にする期間も延長されたと考えられ、“若い頃と同じようなヘアスタイルができない”といった諦めマインドが頭をかすめ、理想と現実に乖離が出てくる“大人世代向け”に商機があるのかもしれません。
また、若い世代においても、職場を含めて髪型・髪色の自由化が進んできたことで、ヘアカラー・ブリーチ等をする人が増え、「頭皮を含むダメージケア」を重要視する傾向が見られています。
スキニフィケーションとは、従来はあまりに気にかけてこられなかった部位の肌(主に頭皮)を、顔のスキンケアと同じくらいの意識でケアすることが大切だとする欧米発信の注目トレンドです。
※1引用元:TPCマーケティング、女性の頭皮・髪に関する意識・実態を調査(訪販ジャーナル 2023年8月21日号)
2.市場状況とプロモーション戦略
今回は、近年ヘアケア市場の中でも盛況と言われる1,400円以上の価格帯に着目して市場を考察していきます。まず注目すべきは、2024年に入り、従来からよく見られる頭皮のクレンジング力訴求型以外に、頭皮の乾燥・フケ・育毛などに着目したスキンケア発想のブランドが台頭してきている点です。昔から「地肌」というワード自体は大手ヘアケアブランドでも使われていましたが、消費者目線では、地肌ケアの大切さを感じつつも具体的に「何をしたらいいのかわからない」という地肌ケア迷子が実は多いという調査結果(※2)もあり、その潜在的な需要の高さに対応できていなかった実状がうかがえます。
そこで近年の地肌ケア(=スカルプケア)アイテムの商品開発における最重要ポイントとなるのは、 いかに消費者へ「”わかりやすく”ベネフィット(使うことによって得られる利点)を伝えられるか」という点です。そのため、プロモーション戦略を考慮した商品開発が大切になってきます。
例えば、『育毛剤や頭皮美容液をセットにしたヘアケアシリーズ設計』や『頭皮マッサージなどの独自の使用方法と組み合わせた「コト(体験)売り』などが考えられます💡
また、実際に“わかりやすくベネフィットを伝える”という視点では、髪の質感をふんわりさせ、使用直後から変化を体感しやすい“ボリューム系シャンプー”も近年注目されつつある印象です。育毛・ボリュームアップ系商材は店頭よりも人の目を気にせずに買いやすいEC販売との相性が良いため、EC系に販売チャネルをお持ちの方に特におすすめの商材です。
ただ、令和のアクティブシニアは感性が若くシニア扱いをされるのを嫌がる傾向があるため、従来のアンチエイジング主張が激しめの“いかにも”なデザインよりも、一見そうは見えないスマートでおしゃれなボリューム系シャンプーの需要が高まるのではないかと予想されます。
シニアに限らず、薄毛やボリュームダウンが気になりだしたメンズ向けなどでも、おしゃれなボリュームシャンプー需要はありそうです。
※2出典元:2023年9月調査「アラサー女性の髪悩み&調査ケアレポート」
3.スカルプ系&ボリューム系ヘアケアのOEM開発・ODM処方提案
ホシケミカルズでは、ベネフィットを伝えやすいヘアケアアイテムをお客様のご要望に合わせてイチから開発することはもちろん、スピーディーな商品開発をサポートできるようすぐに商品化できるレベルまで仕上げたパッケージ型ODM品もご用意しています。
スカルプフォーム(1分動画あり)
頭皮マッサージと組み合わせた乾燥頭皮向けの「コト(体験)売り」におすすめ
アミノ酸ボリュームアップシャンプー
体感がわかりやすくリピートにつながりやすい
医薬部外品承認済み「育毛剤」ラインナップ
シャンプー&トリートメントとのセット売りにおすすめ
4.まとめ
近年の高齢化に伴う人口動態の変化により、40代以上の大人世代の割合は増加傾向にあり、大人世代が抱える髪や地肌に対するお悩みの幅が広がってきています。「人生100年時代」といわれる今、どのようなケアや商品、コミュニケーションが求められているのか、開発する側が一度立ち止まって考え、若年層も巻き込みながら未来の社会を見据えた開発をすることが必要なのではないかと痛感しました。
スカルプ系アイテムに関しては、頭皮の炎症によるかゆみや抜け毛など、悩みの深いものから、今の頭皮に悩みはなくても、未来の自分への投資のために頭皮ケアをしたいという人まで、悩みに深さ(レイヤー)があるのが特徴となっています。悩みの深度により、おのずと商品やアプローチなども変わってくるため、ターゲティングとそれに付随するお悩みを具体的にすることが、とても重要だと感じました。
(執筆者:恩田雅代)
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そこでキャッチした話題やホットなテーマについて、外部のコスメティックプランナー恩田雅世さんと定期的にトーク&ディスカッションする時間を設けています。“OEM企業ならではの視点”で深掘りしたり、ブームの背景を探り商品やトレンドを分析、さらには、少し先の未来を予測してみたり…!4名の座談会を元に記事化しています。
登場人物プロフィール
恩田雅世 | ホシケミカルズ広報S | ホシケミカルズ商品企画Y | ホシケミカルズ販促M |
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。 https://onda-media.com/ |
ヘルスケアアイテムのBtoC広報を経て、 販売時の切り口や訴求点とともに、理性(技術や理論)と感性( |
ホシケミカルズでは異色の化粧品メーカー研究部門出身という企画 化学の豊富な知識や知見に基づき、 |
販促担当としてメルマガや動画の撮影& 前職での複数のソーシャルメディア運営実績を活かし、 |