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人気の新興ブランドでみる市場で“売れる化粧品”考察

トレンド情報

1.背景

近年、数多くの化粧品・コスメ新興ブランドが誕生し、盛り上がりを見せています。その中でも特に“ファブレスメーカー”の勢いを感じます。ファブレスメーカーとは、基本的に研究所や工場を自社では持たず、他社へ委託することで自社製品を開発して販売する形態のメーカーのことです。そのような流れを裏付けるように、ヘアケア領域で新興ヘアケアブランドが大手の牙城を脅かしていると話題になりました。独自の戦略や発想力で新興メーカーのヒットの要因を考察・分析することで、OEMで売れる化粧品開発品のヒントにつながるかもしれません。

 

2.話題のヒット商品が売れた要因

①  消費者に必要とされているものを見出す目&期待に応える中身

「マスクにつかない口紅」「ナイトケアシャンプー」など、消費者の“欲しかった”というニーズを的確に捉え、品質としてもその期待にしっかりと応えたものが多い印象があります。トレンドを追うことも有効な施策のひとつですが、ニッチな分野に注目し、競合が少ない商材を狙うのも、独自の立ち位置を築くには大切なことかもしれません。

 

②  相性の良いOEMメーカーとタッグを組む

自社の研究所・工場を持たないことが多い新興企業(いわゆるファブレス)だからこそ、パートナーとなるOEMメーカー選びがとても重要になってきます。前述した近年話題の新興ヘアケアブランドもそこに注力したようです。では、どういった視点でベストパートナーとなるOEMを見つけ出したら良いのでしょうか。

商品開発を行う上で技術力はもちろん大切ですが、自社で開発していこうとしている商品が、経済ロットでどれくらいなのか、またそれに対応可能なOEMメーカーなのかも重要です。また、自社の商品の方向性について寄り添いながら処方開発をしてくれるかどうか、という点も大切なポイントです。商品開発の要である商品企画の経験が少ない、社内に商品企画部署が元々なかったというような場合は、OEMメーカーに企画部署があるところとタッグを組むと心強いかと思います。ホシケミカルズには企画部署があるため、アイテム選定からご相談も可能とのことなので、じっくりこだわったものを作りたいという方は、一度相談をしてみるのもおすすめです。

化粧品OEMお役立ち情報 | ④相性の良い化粧品OEM企業の見極め方とは?
「自社にマッチした化粧品OEM企業かどうか?」を見極める3つのポイントについて解説します。相性の良い化粧品OEM企業との出会いは、新規参入でのビジネスを成長させる強力なパートナーとなり得るため、その選び方も大切です。

 

③  時代に合わせたマーケティング力

SNSで大きなバズを起こした会社は、会社全体でマーケター意識をもち、お客様に響くポイントを模索する姿勢が徹底されていると感じます。消費者の目を引く内容と、売りたいターゲットの目に触れる場所への広告アプローチを試行錯誤しながら日々研究している結果だと考えられます。商品開発段階から、お客様がSNSで自発的に発信(UGC)したくなるような商品を意識しているというのも大きなポイントになります。そのような要素を取り入れておくことで、販促としてSNSでの発信を促すような施策に活用しやすいという良い流れにつながっていると思います。

ただ、2023年10月1日より、インターネット上で広告とは示さずに個人の感想や口コミを装って宣伝する「ステルスマーケティング(ステマ)」の規制が施行されるなど監視の目も日々厳しくなっているため、法律を順守したうえでの訴求力がこれからはさらに大切になってきます。SNSに関して苦手意識をお持ちの方は、マーケティングを専門とする会社のプロに開発初期段階から一度お話を聞いてみるのもひとつかもしれません。

 

 

④  高い効果感と適度な価格設定を実現

韓国コスメは、もはや日本の美容業界にすっかり浸透した印象ですが、最近話題になるコスメを調べていると、韓国コスメを筆頭に比較的お手頃な価格で効果感の高いものが見受けられます。

ロット数や日本の化粧品の品質レベルなどとの兼ね合いもあり、どの会社でもできるとは限りませんが、特にZ世代向けの商品を企画されている担当者の方は要チェックポイントかもしれません。

ヒット商品を生み出しているブランドの中には利益度外視?!と感じるような商品もありましたが、1品だけ利益率を抑えてでも高体感&手が出しやすい価格の商品を立てるのもひとつの策かもしれません。

仮に1品でもヒーロー商品を生み出すことができれば、他のクロスセル品もおすすめしやすくなる可能性が高まります。

一方で、売るために販売価格を下げ過ぎるのは、かつてのドラッグストアのヘアケアのように市場価格を低下させて将来的に自分たちの事業の首を絞める可能性があるため、ある程度の価格設定を保つことも大切にしてもらいたいと業界関係者としては願っています。また、いくら体感を求めると言っても化粧品は薬ではありません。消費者の安全性を守るためにも、“化粧品は「作用が緩和」でなくてはならない”という大前提をメーカー側は忘れてはならないとも感じています。

※化粧品の定義:人体に対する作用が緩和なもので、皮膚、髪、爪の手入れや保護、着色、賦香を目的として用いられるもの。(医薬品医療機器等法より)

 

3.まとめ

化粧品を開発するにあたって、自社の研究所や工場がない“ファブレス”であるということが、強みになる時代が到来してきています。

商材のカテゴリーに縛られず、いわゆるPDCAサイクルを早く回しながら消費者ニーズを的確にキャッチし、消費者の反応が良いものを世に出していく。そしてその商品を気に入った消費者自らが自発的にSNSで広めていく、というようなビジネススタイルです。

新興のヒットを生み出しているブランドは、SNSというツールを使っているものの、商品開発に関しては泥臭く、真摯に消費者と向き合い、密なコミュニケーションをとりながら商品を生み出しているという印象を受けます。

消費者視点でみると、自社工場のあるなしに関わらず、自分たちの悩みや今の気分をくみ取って寄り添い、商品を作ってくれているのかが、大切なのだと改めて実感しました。

(執筆者:恩田雅代)

 

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ホシケミカルズの「広報」「商品企画」「販促」を担当する3名は日々、ビューティ業界の動向や、注目のトレンドをリサーチするためSNSを含めた様々なメディアをパトロールしています。
そこでキャッチした話題やホットなテーマについて、外部のコスメティックプランナー恩田雅世さんと定期的にトーク&ディスカッションする時間を設けています。“OEM企業ならではの視点”で深掘りしたり、ブームの背景を探り商品やトレンドを分析、さらには、少し先の未来を予測してみたり…!4名の座談会を元に記事化しています。

登場人物プロフィール

販促M
恩田雅世 ホシケミカルズ広報S ホシケミカルズ商品企画Y ホシケミカルズ販促M
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。
https://onda-media.com/
ヘルスケアアイテムのBtoC広報を経て、ホシケミカルズでもPRを担当。
販売時の切り口や訴求点とともに、理性(技術や理論)と感性(わくわく感)を織り交ぜた情報発信を心掛けている。
ホシケミカルズでは異色の化粧品メーカー研究部門出身という企画担当。
化学の豊富な知識や知見に基づき、成分特徴と技術を結集させた理論派コスメ企画を得意とする。
販促担当としてメルマガや動画の撮影&編集までマルチにこなすZ世代。
前職での複数のソーシャルメディア運営実績を活かし、多角的な情報収集と発信を行う。
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