従来、化粧品OEM企業は発売元様から受託・委託を受ける黒子(下請け)という側面が強くありましたが、これまでの連載でも紹介した通り、近年は発売元様と“ともに製品を作り上げるパートナー”という関係性へとシフトしつつあります。
もちろん、化粧品OEM企業の役割である「OEM=相手先のブランドの製造」という基本は変わりません。しかし、”委託されたものを作る”という一方的な流れから、私たちOEM企業側にも時流に合わせた製品開発や、ODM提案を積極的に行う姿勢が求められる双方向の形に変わってきていると感じています。
化粧品OEM企業は黒子からビジネスパートナーへ
特に新規参入の場合、競争の激しい化粧品業界でロングセラー品を生み出す為に、販売を担う発売元様の“作り手としての想い”と、化粧品製造のプロであるOEM企業の“専門知識や経験”とのコラボレーションが必要です。
消費者ニーズが多様化し、情報やプロダクトがあふれる現代、ただ商品を作るだけでビジネスが成り立つという時代ではありません。開発・製造を担う私たちOEM企業にも、世の中のニーズを的確かつ敏感にくみ取った化粧品づくりと、魅力的な提案をする力が求められています。
“作る側”と“売る側”の垣根を超えた繋がりが強くなりつつある今、パートナーシップがいかに築けるかが、OEM企業にとっても委託側の発売元様にとってもますます大切なキーなっていくのではないでしょうか。
「製造販売元」として問われる真価
美容に関する多くの情報が溢れる昨今、もはや、注目された商品を無条件に購入するという消費行動の段階ではありません。「自分にとって本当に価値あるもの」をユーザーひとりひとりがあらゆる方法で事前にリサーチし、ブランドの有名無名に関わらず、見極め・取捨選択する傾向が強まっています。
それに伴い、OEM企業もネット上で「製造販売元」としてユーザーの皆さまの目に触れる機会も増えています。ユーザーが製造販売元の化粧品OEM企業を検索した際に、実態が不明であったり、不透明な部分が多いと見られてしまった場合、信頼に値しないと判断される可能性があります。つまり、化粧品OEM企業は単なるBtoB業種ではなく、その先のBtoCを含めて“この会社が作る化粧品なら信頼できる”と思っていただく為の信頼構築が必要になってきていると感じます。
消費行動の変化に伴う新たなOEM企業選定のポイント
こうした消費行動の変化に伴い、数あるOEM企業から選ばれるには、魅力的な製品開発にプラスした要素を含めて総合的に判断される傾向があるということを自覚する必要性を感じています。私たちの使命は良い化粧品を提供することですが、近年はモノづくりへの姿勢・理念、SDGsや社会貢献といった企業活動なども選定材料になり得ます。
特に、「化粧品製造販売業許可」(※)をお持ちでない場合、自社名とOEM企業名が併記されることも念頭にご検討いただくのもよいかもしれません。
私たち化粧品OEM企業が真摯に情報開示をすることが自ずと「製造販売元(業者)」としての価値を高め、ひいては発売元様にもプラスの影響になると考えています。
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