化粧水編 (2009.08.15)

化粧品ブランドを立ち上げようとする時にはずせないのが「化粧水」。特に日本人女性は「化粧水」が大好きで、ほとんどの女性が使用しているアイテムである。第一回目は、その「化粧水」について考えていきたい。まずは、化粧水の基本的な肌への効果について押さえておこう。


化粧水とは?
肌に水分や潤いを与える保湿剤を補給し、皮膚にしっとりとした潤いやみずみずしさなどを与える製品で、透明のものから半濁や白色状のものまである。
機能としては、保湿・にきび防止・肌荒れ改善・美白・しわ・たるみ防止など目的に応じて様々なものがある。
(日本化粧品技術者会 化粧品辞典より抜粋)

保湿剤の種類
肌を潤わせるだけなら水でもつけておけば大丈夫だろう、と思ったら大間違い。
一時的に水分量は高まるが、すぐに蒸発し水を塗布する前の水分量に戻ってしまう。
大切なのは肌に水分を与えるだけでなく、与えられた水分量をいかに長時間にわたり高く保持することなのだ。

保湿は水をつけておくだけでは駄目?

・エモリエント
植物性油分などに代表される、それ自体には水を蓄える作用はないが、ラッピング効果により肌の水分を貯留し水分量を長時間に渡り高める。

・ヒューメクタント
アミノ酸や尿素に代表される。肌への親和性が高く、角層成分との相互作用により水分を保持しやすいもので、その結果として水分量を長時間高める。

・その他
ヒアルロン酸などの吸湿性に富む高分子も保湿剤としてよく使われる。


保湿効果として人気の「ヒアルロン酸」は1種類じゃない??

最近の化粧品市場の動向として、「とろみのある化粧水」が多く発売されている。 実際に、私のクライアントからも化粧水に「とろみ感」をつけて欲しいという、要望が増えてきた。 使用した時のリッチ感やブランドとしての高級感を演出できるというのがその主な理由だ。
「とろみ」を演出する主な成分にヒアルロン酸(ヒアルロン酸Na)がある。 ヒアルロン酸(ヒアルロン酸Na)が注目される要因の一つとして、その保湿力があげられる。 1gのヒアルロン酸で約6リットルの水分を保持するといわれているのだ。
ただし、最近ではその保湿力だけでない特徴をもった進化したヒアルロン酸が登場してきているのである。

・加水分解ヒアルロン酸
分子量をナノサイズにした浸透型ヒアルロン酸で皮膚表面を覆うだけでなく角質層にまで深く浸透して留まるのが特徴。

・アセチルヒアルロン酸Na
アセチル化したヒアルロン酸で高い保水力を持続させ、さらに肌を柔らかくす 効果もある。

・ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモ二ウム
ヒアルロン酸Naをプラスに荷電させた吸着力の高いヒアルロン酸。 ヘアケア製品などに応用されている。

・ヒアルロン酸PG
ヒアルロン酸Naの一部をプロピレングリコール基に置き換えられたもので、疎水性と親水性の両方を併せ持ち、使用感に優れているのが特徴。


使用感は分子量が握っていた!!

ヒアルロン酸を化粧品に配合する上で、重要なのがそれぞれの分子量。 テクスチャーに大きく影響するからだ。
分子量が大きいものは、すべすべ感やしっとり感を高く感じ、分子量が小さいものはスーッと入っていくような感覚がある。
高分子のほうが低分子のヒアルロン酸よりも、水分の蒸発速度が遅い為、長時間潤っているが、それがべたつきと感じられ、デメリットになることもある。
まさにここが、処方の腕の見せ所ということになる。
発売したい商品のターゲット層の年齢や肌の状態を考え、分子量の違うヒアルロン酸などを複合的に配合することで、効果とテクスチャーを完成させていくのだ。


化粧水開発のポイント

化粧水は、そのスキンケアブランドのまさに導入アイテム。ここでしっかりと消費者の心を掴めば、他のアイテムへと誘導できる可能性が高い。ポイントは「しっとり感&気持ちの良さ」肌が潤うだけでなく、使っていて心地よいテクスチャーをどれだけ表現できるかが重要になってくる。

虎の巻格言:「化粧水と恋愛はファーストインプレッションが命」


参考図書:コスメチックQ&A 日本化粧品工業連合会編
美容最前線 ビューティトレンド 霜川忠正著